相手を見て法を説け、といいますが、文章の流儀にもTPOがある、と再確認して興味深いです。異なる分野の授業に出ることのメリットの1つです。
ー法理論研究入門の授業
「 論文においては、叙述を可能な限り中立に進めなければならない。したがって、
1) 歴史的な事情
2) 技術的な事情
3) 研究対象となる事柄について、異なる考え方・立場の解説
4) 自説
という順で、記述するべきである」
という教え。3)や4)を先に持ってくると、論を進める上で立場の異なる相手に対して説得力が薄れてしまう・ドギツイということのようです。
ージャーナリズムの授業
英語よろしく、逆三角形の論述をすべし。以上
記者やジャーナリストを育成するコースなので、新聞記事を書く際の話です。
理由としては、
ー読者が、表題、第1パラグラフを読んだだけで、重要な情報がすぐに読み取れる必要がある、というのが1つ。
ー編集上、収まりきれない場合に、下から削っていくのが便宜であり、そうしても、記事の価値が劣化しない、というのが1つ。
だそうです。
この2つから読み取れる教訓は、最初に書いたとおり文書のTPOです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、常に気をつけないといけません。
極端な話
ラブレターを書くときに、
「この手紙は、わたしからあなたに愛の告白を行い、以って二人の間に永続的な関係を築くことをねらいとして、したためられたものである。
まず経緯から述べると、数箇月前にあなたの存在を認識して来、日一日と情熱の高ぶるのを感じ、ココに至った次第である。
次に、愛情の根拠となる事情は3つある。まず第1に・・・」
などと書いたら、3秒でさようならとなります。
ほかにも、大変高揚した気分である(血中アルコール濃度の向上など)ことにまかせて、ハイテンションな文体によるメールを送信する行為は、 受信者の置かれた事情を考慮していないため、例えば、受信者が非常に落胆している、激怒している、悲嘆にくれているとか、そういった事情がある場合には、コミュニケーションを滞らせる重大な原因となりかねないわけです。
・・・日本語で日本人同士で意思疎通するのもこんなに難しいのに、外国語という要素も加わるとなると、もう意思疎通は原則不可能なんだと思っていないといけません。とかくこの世は生きにくい。早く誰かテレパシーマシーンを開発してくれないかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿