イコノグラフィーの政治第2回。
仏大統領候補の舌戦におけるテレビジョンの登場効果。
その1.「国民のハート」
ミッテランVSジスカルデスタン
↑ここから見られます。
1分以上ミッテランが色々と批判をしています。長々長々・・・
それに対して、ジスカル一言、
「ミッテラン、あなたは国民の心をつかんでいません。そう、つかんでいないのです」
(vous n'avez pas de monopole du coeur, vous n'avez pas.ブナベパドモノポルド・クー、といってます)見たことのない方は上のリンクからぜひ見てください。これはかなり印象的です)
議論の流れをすべて覆したという一言として有名だそうです。
これをいうときのジスカル、顔の前で手のひらを組んで、眉毛をピクピク動かしながら、得意げに、「モノポル・ド・クー。ブナベパ」といっています。
先生は、ここを3回くらい巻き戻して、ここだ、この眉間をよく見ろ、といってみんなを笑わせていました。
その2.ええ、まったくあなたのおっしゃるとおりだよ、『首相』。
ミッテランVSシラク
↑これもコチラのリンクからごらんください。
ミッテラン大統領に挑戦したシラク首相に対して、ミッテランはひたすら「首相、それは・・・」「あなたは首相としては。。。」と繰り返します。
これに業を煮やしてシラクは
「やめてください。ムッシュミテラン。今夜は私は首相ではない。我々は平等だ。二人の大統領候補者だ。あなたのこともミッテランさんと呼ばせてもらいます」
うーん、怒ってますね。でも、確かに、そりゃそうだ、と思わせます。
が、しかし、
このときです。
まってました!とばかりにミッテラン。
「まったくおっしゃるとおりだよ。『首相』。」
vous avez tout a fait raison, monsieur le premier ministre.(ブザベトゥタフェレゾン、ムシュプルミエミニストル)
要は、「釣り」だったわけです。
君は首相であって大統領にはなりえないのだよ、とでもいいたげです。それを演出的に表現するための釣りにシラクは見事に引っかかってしまったのです。
これも、この一言で(?!)シラク一発退場。
ちなみに、こういうのを見ていると、どうしても、「米百俵」、「人生色々、会社もいろいろ」とかいうせりふを思い出してしまいます。
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