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2011年4月21日木曜日

エロー地方長官庁官房研修2週間目

初めの緊張が徐々に解け、慣れてくると時間がたつのが早い。あっという間に2週間目は過ぎた。

1)CDCI-エロー県下の市町村が加入している組合の再編について長官案を提示する会議。県内の市町村長及び州知事、県知事が来ていたが、またもや不意に長官が当方の紹介をするので、(上司の命で)写真を撮っていた当方に視線が集中。
ミディリーブルの記者から、セート市とモンペリエ市の市長が話しているところの写真を撮って送ってくれと依頼された。翌日の一面にそれが載っていた。こういう場合は記者と役所の関係がスムーズなこともあるのだと知った。
職場のサンドリンさんによると、広報担当職員と記者とは、初めからチュトワイエ(フランス語のより親しい間柄で用いられる2人称及びそれに応じた動詞等の活用)することが常識だという。他方で、大学に教えに来ていたミディリーブル・ニーム支局のシャースレー支局長は、役人や政治家とチュトワイエすると、緊張感が薄れ批判記事が書けなくなるので避けるべきだ、といっていた気がする。こんど質問してみよう。

2)欧州連合関係のイベント@ファーブル美術館・・・のはずが、当日、何の前触れもなく取り消された(美術館に行ったら、あいてなかった)
フランスでは、「あ、それなくなりました」という台詞は、当たり前のように聞いてきたが、地方長官庁よ、お前もか。と。

3)長官庁から少し離れたところに、職員食堂がある。職員には割引があるが、当方は報酬その他を一切受け取ってはいけない契約になっているので、当たり前の値段5ユーロちょっとで昼をすごす。
ひょんなことから、元ジャーナリスト、現役裁判官らと、食後毎日カフェを30分程度しながら談笑することが日課となる。裁判官は柔道有段者で、日本についての話で盛り上がることが多い。

4)週末、サル●ジ大統領がモンペリエに来るかも?という話があり、その場合同行できるはずだったが、結局流れてしまった。遺憾。



2011年4月10日日曜日

エロー県地方長官庁官房研修3日目ー5日目

 4月6日(水)
- 一人でレビュープレス作業。 midilibre紙 région版だけはジェニー氏がチェックしてくれた。 
- 10:30 からの会議、長官の日程につき官房担当者がそれぞれすき放題しゃべっていてお互いに聞いていない印象。
- 「agenda média」という翌週の長官動向のうち報道関係者OKの予定の作成を命じられる。上記会議で具体的な話がなにも出ていないので、結局担当者に聞きまわることに。叙勲や自治体再編に関する会議を報道するかどうかが軽くもめたので、大変困った。
- レビュープレスは賢いパソコンソフトで新聞切り抜きがPDFで作成されるが、この日はなぜか同じ日付で2つの目次が出来てしまい、ジェニー氏に相談したところ、必要な記事が網羅されているのであれば問題ないとのこと。要するに「無駄詰めはしない」というスタンスの模様。素晴しい。
- 他方、アジャンダメディアは、半角スペースを詰める、など日本の役人並に細かい念の入れよう。

4月7日(木)
- アジャンダメディア。サンドリンさん(去年からお世話になっている州長官庁課長の方)が土曜日に長官と史跡めぐりに行くことについて、私的OR公的によって掲載すべきかどうか決まるので、本人に挨拶がてら確認した。
- プレフェの運転手シルバンが部屋に現れ、放課後、運転手控え室に案内してくれた。1時間くらい彼と彼の娘さんの日本に対する熱意や日本文化について議論。彼は警察官であった弟さんが殉職されたことをきっかけに、義理の妹さんの出身地であるモンペリエの長官運転手に異動を願い出たとのこと。娘さんが作ったという漫画をもらった。
- 長官庁のインターネット公式サイトが見づらく、特に、外国人の手続のページが、個人的にも印象が悪いので、改善案を提示することになった。その前提として、いくつか他県のページを関係者に提示。
- 新聞社数社にメールで情報確認。
- midilibre région で同じようにインターンしている同級生は、今週だけで4つも記事を書くらしい。こちらの新聞は記者の署名が必ず入るので、院生・インターン生の身分でも週4つ記事が地元紙に載ればたいしたものだと思う。
- 長官庁には、日本の役所のような、記者クラブは存在しないのだが、本日報道発表した、ガール県のある企業での事故の記事が、報道資料を丸々そのまま載せていた。事件の速報性重視や、ネット記事だったこと、また翌日の朝刊では独自取材情報も載せたことなどを考慮しても、常に批判記事を書くフランスの新聞にとって、これは珍しいことだと思う。
- 報道担当室は、仕事量の割りに、正規職員がジェニー室長一人しかおらず、兼務やパートタイム職員がしばしば休むので、ジェニー氏と当方のみ、なんてことがよくある。このため、ジェニー氏の仕事量は、フランスと思えない程度に激しい。このため、いろんなところに掲示をして、常にインターン生を積極的に募集しているらしい。4月は本当に誰も応募が無かったので、好都合だった模様。

4月8日(金)- 地方長官は公の秩序維持や道路交通取締りなど国家警察権限も持っているのだが、その部署のserge robert氏という非行抑圧担当官(50歳くらい)にお昼カフェをごちそうになった。彼は日本文化、歴史に詳しいが、割と一方的に話すタイプだ。語源を学ぶ重要性について教えてもらった。例えば、communication のconがavec(with)という意味のラテン語から来ていて、単に意見を交換するという「意思疎通」というよりも、同じ情報や意見に染めるというニュアンスが強く、説得の要素があるのだということを述べていた。
- アジャンダプレスを長官に見せる段階に来たが、自治体再編については議論が機微に触れるので、報道をどこまで入れるか・入れないかは、長官の判断を仰ぐことに。興味深いのは、その際の「資料の見せ方」・準備が日本と同じだったこと。つまり、「入れたバージョン」と「入れないバージョン」の2つを準備して長官に渡して、どちらか選んでもらう、というもの。
- 去年11月からフランスでは公共の場で顔を完全に覆う服装をしてはならない法律が施行(公布)されており、この4月11日から施行されたが、公の秩序を最終的に担保する長官にこの点についてラジオ「フランスブルー」から電話インタビューの申し出があったのが12時前。長官がOKしたので、16時45分から5分のインタビューが行われた。
- Labellisation des pôles d’excellence rurale -という要は地域開発のためのアイデアを「首相が」(普通は担当大臣が認定するのでその点は珍しいか)認定し補助金出します、というよくある国からの開発補助金なのだが、この第二弾についてこの日決定されることになっていた。エロー県で3つ内示があり報道資料は出来ていたが、長官庁での発表のタイミングは、国の本省が正式に発表後、となる。そのタイミングを、5分おきに各役所のHPをチェックするという手法でチェックする、という、大事なことではあるけれども、かなりお役所的な地道すぎる作業を実施。




2ヶ月のうち1週間目のインターンが終了。
インターン生としてそれなりに貢献できているとは思うけれど、もしフランス語が母国語並みに「書ければ」、報道文書などもっと役に立てるだろうに、という点が残念。しかし、それらの文章を見ながら、行政文書の言い回しなどを勉強していこうと思う。
気づいた点としては、彼らは息抜きがうまいと思う。割と頻繁にカフェを飲みながら、同僚と歓談し、週末にあったことなど取り留めの無い話をして、またさっと仕事に戻っていく。

2011年4月6日水曜日

エロー県地方長官庁官房研修2日目

8時43分着 サンドリン氏はまだレビュープレスに着手しておらず。明日水曜日は休暇のため、今日から当方がほぼ一人で担当することに。その間サンドリン氏はメールチェックしたり歓談したりしていた。
11時30分 ようやくレビュープレス終了し、課長ー長官に送信を終える。
12時10分 地方紙、テレビ、ラジオの部数・視聴者数、各紙のプロフィール(編集長、記者、編集会議の時間、脱稿時間など)の紙を更新するよう指示あり。地方紙の部数については、フランスでは新聞が広告を載せるためには地方長官の許可が必要となっており、その前提として発行部数を選挙管理部局に届出ているとのこと(選挙法がらみの規制なのか?)。そこで、担当課長にお願行った。電話して取り寄せろという指示だったが、顔見て話す>>>電話で要件を伝える、なので、足を運んだ。

13時 帰宅して昼食。
13時40分 記者協会に行き、以前注文していた各紙の情報が載った年報を受け取る。この情報が少しは役に立つか。

上記の2つの情報を元に、資料の作成・修正を始める。記者については、地方長官庁を担当することとなるような記者がいるのであれば、その記者の名前を記入すればよいということなので、いずれにせよ、各紙に電話しなければならないが、電話で新聞社に話を聞くのはなかなか気後れがするので、明日に回した。

明日は、10時30分から長官室で来週1週間の発表事項を打ち合わせるので同席して、それを元に計画表を作るようにとのこと。

当たり前の話だが、目の前に数字や資料があるものから、整理した資料を作るのは精神的にとても楽で、人と議論したり情報を会話から入手しながら時間内に資料にするというのはより高度だということを、言葉の壁も手伝って、より深く認識させられる。報道資料の作成については、文章を書くのは、相当時間がかかる上、文法上や言い回しの不具合などまだまだ使い物にならないので、今回は遠慮した。

5月からは、別の研修生が1人加わるそうで、当方の研修は2段構えで、

4月・・・エロー県地方長官庁官房(報道・広報)
5月・・・ラングドッグルシオン州地方長官庁・地方行政事務局(報道・広報)(仮)
(モンペリエは州都なので、州の地方長官が県のそれを兼ねている=同一人物)

となる見通し

仕事のリズムにまだなれないので、それなりに疲れます。

2011年4月5日火曜日

エロー県地方長官庁官房研修1日目

一日目で十分お腹一杯になりました。

8時45分 職場着、同僚のサンドリン〔以前からの知り合いではない人〕氏と挨拶を交わす
9時過ぎ コミュニケーション係長のジェニー氏到着
9時半  レビュープレスの作成に参画
〔平たく言えば新聞きり。フランス語でやるのは骨が折れる。スキャンと優れたソフトのおかげで、はさみとノリは必要なし→水曜から一人でやることに〕
11時過ぎ 午後の記者会見のための準備で慌しくなり、レビュープレスを一人で続ける
12時45分―14時 昼休み
14時ー15時半 月刊の地方長官庁便りの見た目のモダン化について、担当の方と話す
16時   長官、ジェニー氏、担当課長と同乗して記者会見場へ。
・テーマ: 22010年度のホームレス住居支援の総括
・参加者: 地方長官、青少年・スポーツ地方局長、県庁担当課長、アソシアシオン複数、ミディリーブル紙、エローデュジュー紙、ディレクトモンペリエ紙、ラジオなど
・場所: 持続的な住居が見つかるまでの臨時の集合住宅。ひとつの大きな家に十七世帯が入居。
・行き、帰りの車内だが、資料を読み込む長官の質問に、同乗部下が必死に答える様子は、日本の行政と全く同じ光景。車内歓談タイムに入り、数回長官に話しかけられたが何とか答えられたものの、笑いを取れなかった。長官付きの運転手は、シルバン氏といい、空手初段、お嬢さんが日本ファン。多いなあ。
・長官は根拠なき批判に対しては、目の焦点が合わなくなりながら、しばしばエキサイトしていた。話のつかみに「日本からインターン生が来ています」とか大声で宣言された〔汗 また、会見が終わった後、ラジオ収録も廊下で行うところも見せてもらった〔長官から手招きでちゃんと見てろとの由〕。今朝は、交通担当の大臣がベジエに来ていて、午後はこの記者会見、七時からは別途会議など、六十過ぎの体には相当のハードワークと思われるが、エキサイトしながらずっとしゃべり続けているからすごい。
・現地で、同じジャーナリスト養成コースに所属の同級生クリステンに会う。彼女はミディリーブルで研修をしているので、記者として、こちらは発表側として参加。


18時過ぎ 長官庁着、
18時半  ジェニー氏と議論
帰宅



〔論文のための備忘メモ〕
●地方長官庁には、「記者クラブ」制度は無い。
●「liberté de la presse」を貫徹するため、記者会見にはどんなジャーナリストでも参加することができるし、質問をすることもできる。入場の際に「ジャーナリスト証」〔フランスでは労働法に基づく委員会が発行〕の提示を求めることなどもない。
●記者会見の実施について、午前ー午後、サンドリンが主だった新聞社・テレビ局に電話をして出席を促していた。
●モンペリエの新聞は批判色が他地域に比べて濃い〔ジェニー氏〕。
●〔モンペリエはパリがきらいなので、パリから派遣されてきた長官もきらいだという人もいる〔長官〕〕

〔今後やること〕
ー他の地方長官庁、地方自治体のホームページを参考にして、エロー長官庁のページを改善できないか