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2009年10月29日木曜日

放棄

ダルヴィッシュ教授、今日は、ゼミ半ばで出て行ってしまいました

10時から12時までなのですが、10時35分に「終わりだ」と言って。怒ってました。

ある生徒は発表者が10分遅刻して何も言わずに入室したのが原因だといい、
ある生徒は虫の居所が悪かったんだろうといいます。

議論があまり活発でなかったことに腹を立てたのかもしれません。
先生は発表者に「ちゃんと読んでるのか」的なことをいっていたような気もします。

・・・来週の発表者、私なのですが。こんなプレッシャー勘弁してくださらないでしょうか。


 ところで、先生が途中放棄って大学レベルでもあるものかは。いとゆゆしきわざならむといへば、フランス人は「よくあることだ」といった感じで和んでいましたが、当方しばし愕然。
(公務員である教授の授業放棄による給料返納可能性について云々についてもしばし愚考)

お経

 授業に臨む際の必読論文を、音読してみましたら、
 お経そのものでした。
 LINZ教授の論文を多く読まされるのですが、原典英語の仏訳なので、はじめからコロンビア大へでも留学して英語で呼んだ方が、まだ楽かもしれない・・・と思いつつ、千巻経を唱えております

2009年10月27日火曜日

国家と体制

 (同一憲法(constitution)下で、)国家(Etat)の連続性を維持しつつ体制(regime)の変化を見る国の例を挙げなさい。

  エリート論がご専門のGENIEYS先生は、アメリカのNEW DEALがそれにあたるかどうかを題材としてあげました。それとの比較として、フランスVICHY政権、戦後東西ドイツ、フセイン前後のイラク、ボスニアに言及。

  日本のことを聞かれました
   戦前・後を比較して、エンペラーの位置づけ・政府・国会議員の連続性など。
   憲法起草は実質的に米の手によることについては、ドイツも似たようなものだとの話で、極東軍事裁判で首相が絞首刑になったことについては、一同驚いていました。いやいや、貴国からも判事が加わっているのですが。

   日本の場合、同一憲法下、との条件だと、憲法学説の中でも改正手続に則った改正について論争がある(八月革命説云々)うえ、立憲君主制(と言っても差しつかえない)の性質が同一か否かを論じるのはやや込み入ってくるので、アジアからとる事例としては、中華民国台湾の誕生または国家承認が中国に移った際の台湾もしくは民主化前後、それとも韓国?からがいいのではないかと夢想をはじめております。

   インドシナ半島は、植民地時代のこともあり、比較的詳しいようですが、日本周辺については、やはり関心が薄いようです。パリ政治学院BOUISSOU先生のような日本専門家もいるにはいますが。。(政権交代について答えるビデオ

2009年10月25日日曜日

T市MさんとK町のM井さんとKW町ONOさん

市町村合併における組織統合について実態を教えてもらいました。
新設合併か編入合併かで、旧団体の影響力が大きく異なるようです。

KW町ONO書記からは、新設合併における領袖的団体の存在の具体的示唆をいただきました。

ありがとうございました。

2009年10月22日木曜日

スペイン

darviche教授、スペインとの比較における政治社会学。

 問・ スペイン絶対王政は英仏と比べ何故弱かったのか。

 答 スペインでは、国家建設ではなく、カスティリヤ周辺における帝国の建設にとどまった。
  一般に、絶対王政への移行は、封建領主の有していた支配力(徴税、兵役など)を一元化しつつも、封建領主の支配力を社会的実態としては維持あるいは官僚制として組み込む形で、「国家」権sつがなされるが、スペインの場合、そうではなく、カスティリヤ周辺のみにおいて帝国が建設されたにすぎなかった。

  高校世界史レベルの知識のみでは、授業についていくのが大変で、議論に参加するとなると、前日徹夜だけでは不十分です。

  とはいえ、フランスを理解するためには、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、東欧諸国、バルカン、トルコ、ソ連に関する知識に加え、しばしば引用される、ウエーバー、マルクス、トクビル、プットナムらについての基礎知識を十分有していることが必要であるようです。

  2つのことを考えました。

1 世界史教育について

 ・知識に加えWHYの議論を
  -ゲルニカ、スペイン内戦、フランコ
   といったキーワードのみを暗記し、試験で点数を獲得する、というための授業でなく、何故そういう国家になったのか、英仏との比較を考えましょう、といった授業が高校においてもなされるとよいと思いました。

 ・現地の言葉で
  -これはすでに多くなされていますが、たとえばHENRIをイギリス王について「ヘンリ」、フランス王について「アンリ」と読む
  -普仏戦争、といった史実を知っていても、それをどのように発言すれば相手に自分がそれを知っていると伝わるか、つまり、現地で普仏戦争という単語がどう表現されているかを知っていなければ、国際社会では知識の使用価値がありません。

 2 南仏だから

 中央集権国家、といえど、地域間の対立意識、地域主義の意識がとても高いフランスでは、たとえば北フランスにおいてスペインやイタリアについて、深く学べる可能性は、より少ないように思えます。その意味では、モンペリエならではの構成となっていると思います。

  。。。とはいえ、研究者コースということあり、生徒が5人しかいません。さらに、先週から1名女子生徒が行方不明です(発表が2回当てられていたにもかかわらず、連絡なく欠席)。しばしば、風邪でダウンする生徒が出るので、ときには2人、3人といったゼミが展開されます。

フランス人の学ぶ日本語

《仏語》
Un cahier pour les francais qui apprennent le japonais m'interesse beaucoup.
Tout d'abord, on utilise l'alphabet pas Kanji ou Hiragana afin d'exprimer les choses traduit en japonais, c'est-a-dire, comme ca;

BONJOUR- kon-ni-tiwa-こんにちは
je m'appelle- watasi-no-namae-wa-わたしのなまえは-私の名前は

il me semble bon manier pour francophones meme si je n'imagine pas comme le facon d'apprendre le francais pour les japonais.

《和訳》
本屋で日本語を学ぶフランス人のための教科書を読みましたが、興味深かったです。
見開きの左にフランス語、右に日本語といった構成は、変わりないのですが、その途中に、ローマ字表記を媒介させる点が、書かれた言語をどのようにフランス人が認識しているのかを示す証左のように思われます。つまり、


BONJOUR- kon-ni-tiwa-こんにちは
je m'appelle- watasi-no-namae-wa-わたしのなまえは-私の名前は

という具合に、脳内変換を行うこととしているのです。
これは、フランス語ースペイン語、フランス語ー英語、の教科書でも同様の方法を採っていました。
つまり

BONJOUR- HELLO
je m'appelle- MY NAME IS

ということです。

こう考えると、フランス人にとって、あるふぁべを使わない言語を習得するのは、ハードルが高いことが実証的にわかるような気がして、興味深かったのです。もちろん逆はいうまでもありませんが。。

2009年10月11日日曜日

MONUMENTS AUX MORTS

わが研究者コースの筆頭教授、ペレス氏の授業は、難解ながらも、興味深いです。
彼の研究テーマは、アイデンティティ。
第1回目のゼミでは、フランスにおける戦死者記念碑についてでした。
徹夜で読んだ論考から読み取れたことは次のとおり。

・フランスでは全市町村にこうした記念碑が置かれている。
・第1次世界大戦のときに、市町村がこうしたものを設置する動きをした。
・できるだけ市役所、教会など市民が多く通るところに設置。
・死者の名前は目立たないように書かれている。
・たいていの文言は、国家のために死した栄光あるこどもたち(兵士たちなのだが、こどもたちと記載)といった形式が厳格に守られている

などなど

彼は、ここから、市町村が国家と個人のアイデンティティ結合の仲介役として意義を有していると結論付けています。
それますが、面白いのは、旧植民地国にもこうしたモニュメントを設置しているのかとある生徒が問うと、彼は、それは興味深いテーマだが、まだよくわからないとの回答でした。確かにモニュモンはあるけれども、統一的性格を有するとまで結論できず、むしろアドホックなものではないかとの印象を有しているようでした。

翻って、日本に関して言えば、仮に同様に全市町村にこうしたモニュモンを設置したのであれば、植民地にも同様に設置されたでしょう。さらに興味深いのは、日本には、国家的統合意図の感ぜられるこうしたモニュモンがない?という事実です。
思いついたのは、靖国、原爆ドーム、長崎平和の像、ひめゆりの塔、といったところですが、後者3つはむしろ戦争の悲惨さを訴えるものです。靖国については、比較できる例なのかもしれません。

というわけで、彼に靖国の話をしてみましたが、ふーん、って感じであまり知見がなさそうでした。やはり欧州人にとって、アジアの出来事は火星に生物がいたかどうかと同じ程度のレベルでの関心事なのでしょう。せっかくなので、上記の点を資料にまとめて、おくりつけてやろうと思います。

アルル、エグモルト













アルルのサンルイの銅像、エグモルトの塩山、町並みはアルル。これは2ヶ月前かな。

CHEZ FERNANDO


フェルナンド亭の快気祝い(一ヶ月ほど前ですが)

2009年10月9日金曜日

英語の授業にみる彼我の異同

度重なる徹夜にもかかわらず、課題読書の消化不良による自信喪失・意識朦朧のため、更新が遅れております。激励をいただいた皆さんありがとうございました。

ところで、英語の授業。
どうやら、数ある授業、ゼミの中で、これだけは、究極劣等生にならずにおられそうです。
レベルとすれば、ジャポンの高校生程度。会話が含まれる分、若干難易度が上がります程度。

先生は、イギリス人女性で、民間語学学校から派遣されている模様。

1時間目としては、
文法のテスト(福岡県立高校の入試問題より易)、ABCの読み方、BBCニュースをどの程度聞き取れるか、の確認で終了。

自己紹介英語編も実施。
ジャポンにいるときと違って、外国語で話すことに「もじもじ」しなくなった分自己表現できた一方、フランス語で平生暮らしているため、『言葉の切替』がうまくいきません。(脳内反応野が違うのではないでしょうか)

すなわち、
「アーユージャパニーズ?」
「ウイ。あ、イエス」
ということです。

ABCの読み方というものについては、最初「冗談でしょ?」と思いましたが、
フランス人にしてみれば、相当苦手なようで、というのも、第1外国がドイツ語、スペイン語、など英語以外のものなので、Jをヨットと読んだりする人もいました。
 。。。考えてみれば、漢字(CHINESE LETTER)だからといって、日本人にとって、中国語読みが簡単というわけでは、ありませんね。英語の読み方は、日本(EIGO)、中国(YINGYU)。

クラスメイトの一人がいっていました。
日本に旅行した友人いわく、フランス語も、英語も通じない、日本語しか通じないと聞くけど、フランスも一緒だよ。日本語も、英語も通じない。フランス語しか通じないんだ。と。

彼らは、フランス語で書かれた(翻訳を含む)ものは熱心に読みますが、英語で書かれたものはあまり読まないようです。そして、英語に相当苦手意識を持っています。そのさまは、日本人にとって、相当共感が沸く類の様子だと思います。

他方、日本の側も、文型の学問について、日本語だけで論文を書いたり、意見を主張したりするだけでは、閉じた効果しかなく、法律の英訳は進められていますが、特に歴史学をはじめとした学術的で、国際発信を要する事項については、英語やフランス語で積極的に書くことが、重要なのかなと感じました。
その点、報道に関して新華社はフランス語版もあり、圧巻です。日本国政府のHPも20ヶ国語くらい準備しないと。。?

こういった日記類も、読まれたければ、英仏交えてかくべきなのでしょう。

外務省の報道官には、外国記者の質問に対して、その記者の国籍に応じて、回答に用いる言語を使い分ける方があったそうです。(スペイン記者にはスペイン語、ドイツ人記者にはドイツ語、と)