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2011年2月2日水曜日

「近さ」の概念

こそあど言葉、フランス人にとって身につけるのが難しい表現の一つです。


「それじゃあ、今日は、その辺で」

とスカイプのあちら側にいるオレリアン君がいうので、

「それは、「この辺で」だね」

と訂正したら、違いの説明を求められました。


一般に、これ、は自分の領域、それ、は相手側の領域を指すとの説明だと、
「だけど、スカイプで話しているので、距離は離れているのに、「この辺」なの?」
との由。

確かに。。。
当方としては自然に、同じ場所でスカイプを共有して会話しているから、「この辺」、だろうと思ったわけですが、距離が離れているといわれると、彼の疑問もわからなくはないなと。


ここでいう近さというのは、「物理的な距離の近さ」というよりも、「支配可能性」なのではないかと思いました。
例えば、近くにいる同僚が、「その辺でやめときな」と注意するとしたら、それは、画面から遠いということの裏に、自分の支配領域にない、操作可能性が無いということを含むのかもしれません。

フランス語では、その辺は(←支配可能性が無い)あまり厳密ではないように思います。

しばしば少しだけ日本語を勉強したフランス人に、「日本語は(フランス語と比べて)簡単だ」といわれることがあります。確かに、複雑な活用の種類も少ないかもしれませんし、多少活用を間違っても問題ないでしょう。

しかし、日本語の話し手にとっての難しさとは、相手との関係性を見極めながら、近づいたり、離れたりする日本文化の理解が、不可欠な点にあるのだろうなと改めて思いました。

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